新型コロナウイルス(covid-19)の影響により現状(2020年4月17日時点)では全国に緊急事態宣言がなされており、営業自粛要請を受ける業種も多くなっており、今後の事業継続についてどうしたらよいか困っていらっしゃる経営者の方も多いと思います。
今回、コロナウイルスの問題が急にでてきましたが、社会全体としてみた場合、昨年から不景気が来そうな気配を感じていらっしゃった方もいると思います。
今回の騒動で先の見えない状況の中、対応を誤ってしまうと取り返しのつかない事態になりかねません。
資金繰りが厳しくなった場合(債務返済が困難になった場合)は、なるべく早期に弁護士に相談していただきたいと考えています。相談が早ければ早いほど、選択肢が多くじゅんびできることが多いのです。結果として、どうなるかの見通しも早めに検討することができます。
問題を検討すべき視点については次のとおりです。
事業継続に関するご相談を受ける場合、まずは、様々な事情を詳しく伺います。
平常時は問題なく経営できていたのか(①)、それとも、平常時から既に経営(資金繰り)が苦しかったのか。その場合、単に借入返済の負担が重かったのか(②)、それとも、元々事業として十分な利益が出ていないのか(③)。借入はどの程度しているか。資産はどの程度あるか。従業員はどういう状況か。経営者の家庭環境、健康状態はどうか。こうした状況を受けて、経営者としてどのようにしたいか。
こうしたことを詳しく伺いながら、経営者と話し合っていきます。
①の場合は、金融機関から緊急融資を受けることで乗り切れる可能性もあるでしょう。このため、まずは金融機関に相談していただくのが先決です。また、場合によっては事業所の賃料減額等の交渉をすることも考えられます。この場合、重要なのは今回は公的機関から無利子無担保の貸し付けがなされていますのでこのような公的制度をきちんと利用することです。
逆に、コロナウイルスの問題が出る前から事業としては困難な状況にったというような場合(③)は、廃業(破産等)を早期に検討していただく方が、その後の経営者の人生にとってはメリットがあることも多いでしょう。
②の場合は、借入の状況や将来(平常に戻ったとき)の見通しなどを考えながら、適切な方法を検討していくことになります。債務整理や民事再生などの方法で事業を再生させていくことも考えられます。もっとも、③に近い場合などは廃業することをお勧めするかもしれません。
ごく簡単な判断基準
この緊急時に、弁護士にすぐに相談すべきかどうかのごく簡単な判断基準を示せ、と言われれば、以下のようになると思います。
・金融機関(公庫・銀行・信用金庫等)の緊急融資を受けられるかどうか
緊急融資を受けられない場合は、残念ながら、この社会情勢では廃業という選択肢も早期に検討すべきと考えます。廃業(破産)については、なるべく早期に処理した方が、経営者自身の将来はもちろんのこと、関係者(債権者・従業員等)にかかる迷惑も小さくなることも多いのです。このため、なるべく早期に弁護士に相談していただくことをお勧めします。
・現状ですべきではないこと
・高利の融資を受けること
・家族、親戚や知人からお金を借りること
・今後収入の見込がないのに手持のお金を使い切ってしまうこと(今後の生活ができなくなります)
廃業する場合は、今後自分はどうなるのか、従業員はどうなるのかなどのご不安もあると思います。よくあるQ&Aについてはまとめてありますので、ご参照ください。